ワールド・オブ・ライズを語る
(ロサンゼルス 9日 ロイター)
米俳優レオナルド・ディカプリオは、ティーンエージャー俳優として活躍し、19歳で米アカデミー賞にノミネートされ、1997年の史上最高のヒットとなった「タイタニック」では、若い女性を夢中にさせた。
30代に入り、2004年に出演した「アビエイター」と2006年の「ブラッド・ダイヤモンド」でもアカデミー賞にノミネートされた。
地球温暖化のドキュメンタリー映画「The 11 hour(原題)」を監督するなど環境問題への関心も高い。ロイターとのインタビューで、米中央情報局(CIA)のエージェントを演じた新作「ワールド・オブ・ライズ」や俳優以外の活動を語った。
——年齢を重ねるにつれて、映画を鑑賞する人々に伝えるメッセージがあるかを重要視するようになったか。
その通り。無意識にそういう点を重要に考えるようになってくる。
そういう考え方は、エキサイティングだけれどちょっと危険で、挑発的でもある。
まず第一に、見る人が楽しめる良い映画を作らなければならない。
そうしてはじめて「政治について話そう」と言う。
ただ主張したいことを伝えるための映画を作ったとしたら、そんな映画は見たいと思わないし、完全な時間の無駄になる
——映画があまりに説教をし過ぎていると思うときはどうするのか。
自身の政治や主張を立ち止まって考えなければならない。
真実を求める必要があるし、リサーチの結果が示していることを使う。
それが最も現実に即しているから。ワールド・オブ・ライズでは、実際にあったとされている話や作戦を合わせて取り上げている。
だが、そこには娯楽映画としての価値も必要だ。
——どの立場に立とうとも、悪がさらなる悪を引き起こすといったメッセージがこめられているようだが。
そこが自分の役柄で気に入っているところだ。
高度な訓練を積んだCIAのエージェントでも、映画と同じ境遇に立たされたら、彼と同じような行動を取るかもしれないからだ。
——最近はどんな社会的活動をしているのか。
カンザス・シティの都市全体を再建する、グリーンズバーグ・プロジェクトが進行している。地域社会などに手を差し伸べる活動は今後も続けていく。そうした活動から学んだ教訓は、人々はどう考えるべきかや行動するべきかを指図されるのが嫌だということ。
——何かを得ることと同じくらい与えることも大切にしているようだが。
こうして映画の仕事をしていると、いつもファンタジーを作り出している。
現実の世界に戻ったとき、そこには問題があると気づき、自分が何かできるとしたら、自分の能力を発揮するべきだと思う。ただそれだけだ。
自分の気持ちも満たされるし、世界を少しだけ良くするのに役立っているかもしれないと思うと、最高の気分になる。
by leonardo_D | 2008-10-17 23:10 | Body Of Lies ワールドオフ