人気ブログランキング | 話題のタグを見る

レオとブラピのインタビュー記事☆

https://dot.asahi.com/wa/2019062000031.html?page=1


クエンティン・タランティーノ監督の最新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」で共演したレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピット。ハリウッド最強俳優の共演ということもあり、カンヌ国際映画祭でも話題をさらった。2人に独占インタビューした。


*  *  *

──ブラッドはブルース・リーと戦うシーンが登場しますが、あんなシーンがあると予想しましたか?

ブラッド・ピット(以下B):全く思ってもみなかったよ。あんなシーンがあるなんて。

──撮影は大変でしたか?

B:とにかく楽しかったよ。実のところ楽しくてたまらなかった。マイク・モーの演じるブルース・リーがたまらないよね。それに、とにかく筋書きが最高だ。当時のブルース・リーは駆け出しで、家族を抱えて生計を立てるのに苦労していた。“こんなことばかりやっていられない、家族のことをまず優先しなければ”と言ってたそうだよ。それで彼はウィスコンシンに引っ越し、そこでマーシャル・アーツのトレーニング・センターをオープンして生計を立てていたようだ。そんな矢先、広告であの役の告知を見て、オーディションを受けて役を獲得したそうだ。それでロサンゼルスに移ってきたんだ。あのシーンはとにかく楽しかったな。

──いくつかある格闘シーンのためにどんなトレーニングをしましたか?

B:それはすごい量のトレーニングをしたよ。年もとったから動きが遅くなってね。あのシーンをやるために、かなりのトレーニングが必要となった。ここにいる友達(レオナルドを指して)よりもかなりの量のトレーニングをしたよ。

──あなたは全身傷だらけで登場しますが、どのくらいが本当の傷なんですか?

B:ほとんどは作りものだよ(笑)。つけるのに何時間もかかったんだ。

──自分の演じる役に感情移入できましたか?

レオナルド・ディカプリオ(以下L):この映画は監督のクエンティンにとって、とても思い入れの強い作品だと思う。彼にとってはカミング・ホーム・ストーリー(故郷に帰る、ルーツに戻る物語)だと思うから。彼が愛した映画を一堂にまとめたような内容で、また同時にハリウッドの映画業界に向けたラブレターのような意味合いもある。僕とブラッドが演じるキャラクターのリックとクリフは、当時のハリウッド俳優の典型的なタイプ。今から見ればハリウッドの遺産みたいな人間だよ。特に僕の演じるリックは60年代のハリウッドに出現した新種俳優の典型だろうな。

──具体的には?

L:マッチョなタイプではなく女性的な面もあり、そんな彼が監督の黄金時代であるハリウッドの古風な境遇に溶け込もうと努力し、もがいている。でも自分の将来がどうなるかわからず不安に駆り立てられるんだ。変化し続けるハリウッド文化の中で自分は生き延びられるのだろうか、と感じている。それを描くクエンティンの手法がとても好きだな。彼はハリウッドのあの時代をシネマのルネサンス期と考えているのではないかな。アメリカという国の文化や意識が変革した時代でもあったからね。

B:僕も同感だよ。本当に感動を誘う映画だよ、特にラストが……。ネタはばらしたくないけれど、リック・ダルトンとシャロン・テートの関係は、古き良き時代のロス・オブ・イノセンス(無垢の時代の終わり)が象徴されていると思うな。それはアメリカという国のあの時代にも言えることだと思うけれど。美しいシーンだよ。もはや戻ってこないもの、失われてしまったもののような……。

──友情の物語でもあるわけですが、共演の感想は?

B:レオをとても尊敬しているよ。

L:……(笑)。

B:レオのこれまでの業績だけでも、映画史に残るべき素晴らしいものだと思う。彼の出演する作品の選択というのも素晴らしいな。出演作の選び方は、僕に似ているといえば似ているんだ。僕ら2人とも監督、脚本家を心から尊敬している。だから、この2点から出演作品を決めるんだ。その次にどんなメンツがキャストとして参加するかだな。本作の場合、その顔ぶれが素晴らしかったから、仕事も喜びに変わったんだ。

──映画の中でレオが演じるリックがそうしているように、あなたたちも自宅で鏡に向かって自分に話しかけたりしますか?(笑)

L:もちろん! 何度もやったことがあるよ。

B:それは自分では認めたくない事実だな(笑)。

L:リックは自分自身のモータリティー俳優としての死活問題を抱えているんだ。この映画産業に関わることに終止符が打たれるかもしれない、という問題を抱えている。自分の中に不安をかき立てる声が聞こえている。それは実に人間的な物語だよ。いろんな点で、人間誰もが抱える共通の課題だと思うんだ。俳優としてすんなりと共感できる課題だった。理解するための努力は必要なかった。

──レオは泣くシーンもかなりありますね。

L:確かにかなりある(笑)。

B:映画史に残る、メルトダウンの名演技だと思うな(笑)。

L:あのような面は、人間誰もが共感できる点だと思う。頭の中に自分に対する懐疑の声が聞こえてくる。それをリックは克服しようとしている。大量のウイスキー・サワーの助けを借りてね。クエンティンに提供された役だから、可能な限り真実に近い形で演じるしかないと感じた。時には俳優として人間の限界に挑戦しなければならないこともある。

──あなた方の演じる2人の友情について、説明してもらえますか?

L:2人の関係を描く方法がとても好きだな。俳優というのは孤独な職業だよ。だからこそ、同じ映画で仕事をする人たちとは家族のような関係になるんだ。その典型がこの2人だよ。クリフはほぼリックの妻みたいな存在になる。孤独だからこそ、沈んだ心を明るくしてくれる誰かが必要なんだよ。2人はプロとしての関係で結ばれているが、同時に家族のような関係でもあるんだ。とっても良い、美しい関係だよ。

──リックはウエスタン映画に出演中という設定ですが、お2人はウエスタン・ファンですか?

L:興味深いのはクエンティンが、映画史、映画の知識に長けているだけではないということ。彼はシネフィルなだけではなく、音楽についても、テレビについても異常に詳しい。この映画は、そんな彼が自分に影響を与えたすべてのことに対する愛を織り込んだ作品なんだと思う。ウエスタン映画を僕らの世代はあまり知らない。クエンティンは映画史から忘れられ、消えてしまった重要な部分をスクリーンに持ち帰ろうとしたのではないかな。

──お2人ともハリウッドの大物スターですが、あなた方のキャリアを脅かすものとは何でしょう?

B:自分のエゴだろうな。思い上がり。

L:それはとっても良い答えだな。

(取材/文・高野裕子)

  by leonardo_D | 2019-06-22 22:27 | Once Upon a Time in

<< バレーボールが直撃〜。。 ラッセル・クロウに譲った恐竜の... >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE