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ヒューズの深層心理_その2

「アビエイター」を見ていて、ちょっと疑問に思ったこと、
それを調べる課程でいろいろと興味深い事を知り得たので書き留めておきます

潔癖性で、ばい菌を必要以上に恐れているヒューズなのに、
籠もっていた試写室は荒れ放題で汚い・・
あの汚い部屋にいても平気なのかしら? 

メルマガ「シカゴ発 映画の精神医学」
登録ページ
http://www.mag2.com/m/0000136378.htm
↑こちらのメルマガから転載させて頂きます。
このメルマガは映画にでてくる人の心理状態や深層心理を
わかりやすく解説してあるのでとてもおもしろいです。お勧めです♪

           * * * * * * *
Q:
閉じこもっていた試写室の中は、ティッシュをゴミ箱に捨てているわけでもなく、
そのへんに散らかっているし、おしっこを牛乳瓶の中に溜めて並べて置いて
ありましたよね・・
あれは潔癖性の人じゃなくても、汚い!と、思うのに、なぜヒューズは
その中で暮らせていたんでしょうか・・?

A:
強迫性障害の患者さんの場合、自他の境界は非常に明瞭です。
自分は汚くない。それ以外が汚い、という認識がハッキリとあります。

強迫性障害者は、自分のテリトリー内に他者が入り込むのを極端に嫌います
それが、うまく表現されているのが、冒頭部のステーキのシーンです。
分厚いステーキが運ばれてきて、さあ食べようととほくそえむヒューズ。
一緒に、豆が添えられていますが、その豆を一粒友人につままれます。
 
たかが豆一粒。ステーキには指一つ触れていない。
しかし、それだけで、ヒューズは楽しみにしていたステーキを放棄してまう。
食べられなくなってしまう。
その理由は、皿というテリトリーに他者が侵入してきたからです。
その時点で、全てが汚らわしいものへと変化してしまいました。

         * * * * * * * *

ふむふむ。
ヒューズの病気の特徴として、自分と他人の境界が重要なのですね。
自分は汚くなくて、それ以外が汚い。
自分の汚物すら汚く感じないんですね。
あの汚い部屋も他者が侵入してきていないから、ヒューズにとっては汚くないんですね。

後半部分のブリュースター議員の家でのシーンで、ヒューズとブリュースター議員は
昼食を一緒に取りますが、ブリュースター議員は潔癖性のヒューズに嫌がらせ行為をします。
お水の入ったコップに、自分の指紋をベッタリとつけるんです。。
いつもなら他者のばい菌がついたコップのお水なんて、ヒューズは飲めないでしょう。
でも、この時のヒューズは意を決してお水を飲むんですよね。
ブリュースター議員のもてなしにケチをつけるのはやめようと我慢したんでしょう・・
少しでも査問にかけられるのを避けたかったんでしょうね。
よく飲んだよ。えらいよ、ヒューズ!!
・・・結局は、真っ向から公聴会で戦うことになるんですけど、
ブリュースター議員の家を出るときには足もフラフラ、息もハアハアと、
過度のストレスで症状も悪化。。
見ていてとても苦しかったです。


ヒューズの深層心理_その2_d0007144_18581373.jpg

  by leonardo_D | 2005-06-03 18:51 | アビエイター

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