人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ヒューズの深層心理_その1

「アビエイター」を見ていて、ちょっと疑問に思ったこと、
それを調べる課程でいろいろと興味深い事を知り得たので書き留めておきます。

「ヒューズが裸で部屋にこもっていたのはなぜ? 」
裸のまま直接椅子に座ったら、よけいばい菌がついちゃいそうなのに・・
と、映画を見ていて不思議に思っていたので精神医学を調べてみました。

メルマガ「シカゴ発 映画の精神医学」
登録ページ
http://www.mag2.com/m/0000136378.htm
↑こちらのメルマガから転載させて頂きます。
このメルマガは映画にでてくる人の心理状態や深層心理を
わかりやすく解説してあるのでとてもおもしろいです。お勧めです♪

           * * * * * * *

さて、なぜ外界との接触を絶ち、裸で部屋にこもっていたのでしょうか?
強迫神経症のヒューズには深い心理的な理由があったようです。

ヒューズは試写室を、母親の「子宮」と捕らえており、
したがって、ヒューズは「胎児」のように裸になるわけです。
裸で試写室に篭ったのは、母の胎内にいることの擬似体験をしている。
精神的に胎児からやりなおしたい
神聖な母親の母体に戻りたい。というような心理状況になっていたようです。

そして、部屋に閉じこもって飲むのは牛乳。
そして、巨乳女優ジーン・ハローの出る「地獄の天使」を見ている。
外界から遮断されて、誰にも邪魔されず、心の安息を保てる空間。
「ミルク」「乳房」=母への依存。
この、部屋への閉じこもりも「胎内回帰」を象徴しているそうです。

部屋に閉じこもったヒューズに、キャサリン・ヘップバーンが会いに来ます。
このシーンは、「アビエイター」の心理的クライマックスともいえるシーン
です。
ヒューズは、キャサリンの呼びかけに応じて、ドアを開けるのか?
それとも、開けないのか?
凄い緊迫したシーンなのです。

なぜなら、ドアを開けて部屋を出るということは「出産」を意味します。
母親からの完全なる依存を断ち切って、社会への出発の第一歩を踏み出すと
いうこと。
あるいは、「扉を開く」ということは「心を開く」という意味でもあります。

扉を開いて、ヒューズが外に踏み出せば、それは母親からの呪縛を逃れ、
強迫性障害の克服へ向けての第一歩を歩みだすことを意味します。

さあ、キャサリンの呼びかけに応じて、ヒューズは扉を開けるのか・・・。
二人のやりとりは、淡々としたものですが、ヒューズの内的葛藤は相当のも
のであったはず。

扉を開けて「助けてくれ」と弱音を吐きたい自分と、こんな惨めな自分の
姿を見せたくないというプライド高い自分。
さあ、どうなる。
私は、てっきり扉をあけると思いました。
なぜなら、ここで扉を開けられないと、全く救いがない映画になるから。
「病気の克服の手がかりがない」ということ。
「病気が回復しない」ということです。

結局、ヒューズは扉を開けられず、泣き崩れます・・・。

彼は、この映画の中で、誰にも助けを求めません。
誰にも弱音をはきません。
そこが、彼の病気が悪くなっていった最大の理由だと思われます。

ヒューズは扉を開けて、キャサリンに泣きつくべきだった。
助けてくれと。
プライドを全て捨てられれば、ストレスも半減していたでしょう。
強迫性障害も軽くなったはずらしいです・・・・

            * * * * * *

私と同じように、「なぜ裸なの?」と、疑問を持っていた方、
スッキリしませんか?
私は「なるほど〜〜!!」と、うなってしまいました(笑)
私はこのメルマガの記事を読んでから見に行った「アビエイター」は
病気の深層心理を知る前に見に行った「アビエイター」より
数段おもしろかったです。
ヒューズの心理的葛藤の場面では一緒に苦しくなったりもしましたが(苦笑)
もう一般公開は終了しているのが残念・・
DVD化を待ち望んでいます。


ヒューズの深層心理_その1_d0007144_1355544.jpg

  by leonardo_D | 2005-06-01 13:43 | アビエイター

<< ヒューズの深層心理_その2 リチャード・ニクソン暗殺を企てた男 >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE